解毒力の高め方

私たちの体には、健康を守るさまざまなしくみが備わっています。これらのしくみは食生活や食べものの良し悪しによって強くもなり弱くもなります。いくつかの例を示しましょう。

有毒な重金属

鉛、カドミウムなどの重金属は、体にダメージを与えます。現代社会は重金属を体内に取り込んでしまいやすい環境にありますので、貴金属を吸収しないような食事を心がけることが大切です。

カルシウム摂取で重金属を排除

重金属が腸管から吸収されるとき、カルシウムなどのミネラルがそこにあると、重金属の吸収が妨げられます。体内に一度吸収された重金属が腸の中に排泄されて、それが再び腸から吸収されるときにも、カルシウムなどは、それが吸収されるのを妨げ、糞便中に排泄します。牛乳、小魚、小えび、海草、チーズなどの食品はこのような働きに合う食べものです。

いったん体に蓄積されてしまったら

いったん体内に蓄積されてしまった重金属については、食べものによって追い出すことはなかなか困難です。しかし、骨に入った有害金属でも、金属の種類によっては追い出しが可能です。

運動で汗をかく

例えばストロンチウムという金属は、カルシウムによって追い出すことができます。ある研究では、汗の中に多量の鉛を排泄させた例があります。この例ではサウナ風呂に入って汗をかきましたが、運動して汗をかけば、それこそ心身ともにさわやかになることになります。

ミネラルばかりでなく、ビタミン類やタンパク質も有害重金属を体外に排泄する上で良い働きをしているという研究もあります。

食事が体をつくる

私たちの体はみかけは変化していないようにみえても、筋肉、骨、血液をはじめ、すべての構成成分は少しずつ入れ替わっています。また、食べものによってそのスピードも変わります。ですから、体に良い食べものを摂り、良くないものをとり入れないようにすることによって、体を守ることが可能です。

肝臓で無毒化

有機塩素系の化合物、たとえぼPCB(ポリ塩化ビフェニール)のようなものが体内に入ってきた場合、肝臓などでそれを分解したり、または無毒化して排泄する力を私たちの体は持っています。栄養状態が良くないとこの力が弱く、したがって有害物質に対する抵抗力が低下します。

脂質、糖質、タンパク質、ビタミン、ミネラル

肝臓などの解毒作用を高める栄養素は、五大栄養素と呼ばれる、脂質、糖質、タンパク質、ビタミン、ミネラルすべてです。体に入ってくる有害物質の種類によって、必要とされる栄養素の種類が異なります。

PCBにはビタミンA

どんな有害物質が入ってくるかあらかじめ分かっているような場合には対応ができます。例えば、PCBのような物質が入ってくると、肝臓のビタミンAが減少します。そこでビタミンAを十分量摂取するようにすると、普通では害が出るような場合でも害がみられないのです。

風邪をひかない体力をつける食生活

風邪の原因は病原菌またはウイルスが体内に侵入し、それが増えることによっておこります。このため、病原菌またはウイルスなどを侵入させない体の抵抗力を高める食生活を考えたいところです。

タンパク質が少ないと病原菌が侵入

タンパク質の極端に少ない食事では病原菌が体内に入りやすくなります。涙やだ液などには細菌の壁を溶かす働きがあり、体を守っています。そして、ビタミン類やタンパク質、脂質は細菌が体に入りにくくします。体内に入った細菌を溶かして殺してしまう働きをも体は備えています。

腸内細菌の役割

腸内細菌の中には、腸内に入ってきた有害菌が増えるのを抑える働きをするものもいます。食物繊維や糖質などは良い腸内微生物を増加させる上で大切です。

知人の家庭では、麦ごはんと毎回の食事で色のついた野菜(包丁で切って中まで色のついている野菜)を食べるようにしているそうです。その結果、風邪をひく回数が減り、たとえ風邪をひいても治りが早くなったといいます。

このほか、食事に気を付けることで、傷の治り方がはやくなる、疲労回復が早くなる、暑さ寒さに対する抵抗力が強くなるといったことが期待できます。

健康的な食生活の原則

望ましい食生活の原則は次のとおりです。

  • (1)規則正しい食生活をする
  • (2)素材を大切にした調理を心がける
  • (3)小魚、海草、野菜、豆類などの利用を心がける
  • (4)ゆっくり良くかんで、腹八分目に
  • (5)甘いもの、塩からいものをたびたび食べすぎない
  • (6)季節の食べものを摂る